【報告】映画『私たちが誇るもの〜アフリカン・レディース歌劇団〜』上映会(2017年11月11日)

私たち「映像翻訳ラボ」は,2017年11月11日(土)に青山学院アスタジオにて,映画『私たちが誇るもの〜アフリカン・レディース歌劇団〜』の自主上映会(共催:青山学院大学,後援:UNHCR駐日事務所・国連UNHCR協会,協力:日本映像翻訳アカデミー)を開催しました。

映像翻訳ラボ(担当:宮澤淳一教授,履修生15名)は,本学総合文化政策学部の実習授業「ラボ・アトリエ実習」のひとつであり,正式のプロジェクト名は「映像翻訳を通じて世界と関わる」です。宮澤教授と協力機関である日本映像翻訳アカデミーのご指導のもと,映像翻訳のプロセスを学び,学生の力で映画の字幕を完成させます。履修生はマネジメント班,リサーチ班,プロモーション班の3班いずれかに所属し,それぞれの仕事をこなしながら,字幕作成に取り組みます。

このたび私たちが字幕を作成し,このイベントで上映した映画は,『私たちが誇るもの~アフリカン・レディース歌劇団~』(ロス・ホーリン監督,オーストラリア,2016年,85分)です。難民や移民としてオーストラリアに逃れてきた4人のアフリカ人女性たちが,演出家,劇作家であるロス・ホーリンが作る演劇に出演し,自らのトラウマと向き合う姿を描いたドキュメンタリーで,今秋の第12回国連UNHCR難民映画祭2017にて日本での初上映を迎えました。

◯上映会まで 字幕作成は夏休みに集中作業期間を設けて行ないました。まず,映画のスクリプトを語義通りに訳す「ベタ訳」を全員が行ない,それを読み合せて映画全体の流れを掴みながら不明点を明らかにします。次に,字幕入力用のソフトを用い,音声の切れ目に合わせて字幕を表示するタイミングを決定する「ハコ切り」をします。その後,「1秒=4文字」などのルールに従い,字幕を入力していきます。字幕作成をする際に重要なのが,映画の背景情報の調査です。リサーチ班を中心に,オンライン・データベースやウェブサイトなどの資料を探し,不明点をなくしていきます。1週間の作業を経て仮完成した字幕は,翌週の合宿にて鑑賞してさらなる改善点の検討を行い,保留にしていた箇所も含めて修正を加えました。その後,宮澤教授と関係機関の校閲を経て字幕が完成し,第12回国連UNHCR難民映画祭2017の会場8カ所で上映されました。

 こうして翻訳した作品をより多くの方に観ていただきたいと考え,ラボの成果発表としてこの自主上映会を企画しました。開催概要を決定し,毎週のミーティングを軸に,各班が上映会開催に向けて準備をします。全体の統括をするマネジメント班は進捗管理が主な仕事です。リサーチ班は字幕作成中に調査した情報を活用し,当日配布するパンフレット作成を行ないます。また,監督へのメール・インタビューもリサーチ班の仕事です。プロモーション班は学内外への告知やポスター作成,上映会でプレトークをしていただくゲストの招聘などを担当します。

上映会準備は企画全体のスケジュール作成からはじまりました。それをもとに,プロモーション班が告知先の調査,ポスターのレイアウト考案,告知文作成などで動き出します。新聞の紙面や本学の授業などで告知が進む一方,リサーチ班ではパンフレットの掲載内容を検討します。時には他班のメンバーに意見を求めながら,映画のあらすじや登場人物紹介などのコンテンツを作成し,推敲を重ねます。その間,マネジメント班は常に各班の進捗状況を確認し,人手が足りない部分には補助に入ります。また,当日のアンケート作成や,会計,借用品の管理もマネジメント班が行ないます。それぞれの仕事量が多い中でも,全員が協力して入念に準備をし,自信を持って上映会当日を迎えることができました。

◯上映会当日 当日の朝,会場に集合し,いよいよ上映会本番の1日がはじまります。マネジメント班が作成した進行表にしたがって会場設営と2回のリハーサルを行ない,本番に備えます。最後にミーティングを行ない,リハーサル中のトラブルを解決した上で,受付や機材操作,場内・場外誘導など,それぞれ持ち場につき,お客様をお迎えします。

 上映会はゲストによるプレトークと,映画上映で構成されています。司会の挨拶の後,「演劇を通じた癒し・苦悩・抵抗—シリア難民女性による演劇との比較」と題して,ゲストとしてお招きした辻上奈美江先生(東京大学大学院総合文化研究科特任准教授)による講演が行なわれます。シリアの難民女性による演劇の実例について,映像とともにお話をうかがうことで,映画で描かれる演劇との違いや共通点が明らかになりました。講演の最後には質疑応答の時間も設け,充実した時間となりました。

   

講演の後は,映画『私たちが誇るもの~アフリカン・レディース歌劇団~』の上映です。お越しいただいた約70名のお客様に,8月から携わってきたこの映画をようやく観ていただけることに胸が高鳴りました。 上映終了後,お客様をお見送りし,辻上先生を囲んで記念撮影をしました。その後は会場の片付けを行ない,上映会の1日は終了です。自分たちで翻訳した映画を,自分たちの手で上映する自主上映会は,大学2,3年の私たちにとって,多くを学ぶことができ,やりがいと楽しさに溢れた素晴らしい経験になりました。上映会が終了した翌週のミーティングは反省会とし,準備段階から当日までの反省点をまとめました。改善案等を全員で話し合い,今後の活動に活かしていきます。

最後になりますが,ゲストの辻上奈美江先生,ロス・ホーリン監督,日本映像翻訳アカデミーとUNHCR駐日事務所のスタッフの方々,夏の字幕作成から上映会の準備まで,オーストラリアでの経験をもとに私たちを助けてくださった森さん,字幕作成や宣伝活動にご協力いただいた皆様と,当日ご来場いただいた皆様に心より感謝申し上げます。

青山学院大学総合文化政策学部「映像翻訳ラボ」2017年度履修生一同

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(※以下は当初の告知記事)

映画『私たちが誇るもの~アフリカン・レディース歌劇団~』上映会開催のお知らせ(2017年11月11日)

青山学院大学総合文化政策学部の映像翻訳ラボが日本語字幕を担当した映画『私たちが誇るもの~アフリカン・レディース歌劇団~』の自主上映会が開催されます。

この映画は、難民や移民としてオーストラリアに逃れてきた4人のアフリカ女性たちが、演劇を通して自らのトラウマと向き合うドキュメンタリーです。

国連UNHCR難民映画祭2017(2017年10月)で本邦初上映されました。今回は「国連UNHCR難民映画祭2017―学校パートナーズ参加イベント」として、この作品のみの単独上映です。

今回の上映では、辻上奈美江氏(東京大学大学院総合文化研究科 特任准教授)をゲストにお招きし、難民女性と演劇についてお話しいただきます。

難民問題、女性問題、演劇、映像翻訳(字幕作成)とその教育指導にご関心のある方はぜひお越しください。

<記>

催事名:

青山学院大学総合文化政策学部映像翻訳ラボ主催

『私たちが誇るもの~アフリカン・レディース歌劇団~』上映会

(国連UNHCR難民映画祭2017―学校パートナーズ実施イベント)

日時:

2017年11月11日(土)14時00分~16時00分(13 時30 分開場)

場所:

青山学院アスタジオ(地下ホール)

地下鉄表参道駅より徒歩5分。B2出口より渋谷方向へ。Found MUJI 青山(旧 無印良品)を右折。直進し左手。(大学の敷地内ではありません。青山通りの反対側にある独立したビルですので、ご注意ください。)

青山学院アスタジオ(案内図)

プログラム:

(1)トーク「演劇を通じた癒し・苦悩・抵抗――シリア難民女性による演劇との比較」

辻上奈美江先生(東京大学大学院総合文化研究科 特任准教授)

(2)映画上映『私たちが誇るもの~アフリカン・レディース歌劇団~』

(The Baulkham Hills African Ladies Troupe, directed by Ros Horin, Australia, 2016, 85min.)

(ロス・ホーリン監督/オーストラリア/2016年/85分/ドキュメンタリー)

言語:英語(日本語字幕付き)

日本語字幕:青山学院大学総合文化政策学部「映像翻訳ラボ」(宮澤淳一教授担当「ラボ・アトリエ実習」2017年度履修生計15名)

指導協力:日本映像翻訳アカデミー

入場:

無料(一般100名。先着順の入場ですので、お早めにお越しください。予約不可)

主催:

青山学院大学総合文化政策学部「映像翻訳ラボ」(宮澤淳一研究室)

後援:

UNHCR駐日事務所、国連UNHCR協会

協力:

日本映像翻訳アカデミー(http://www.jvtacademy.com)

お問い合わせ: 総合文化政策学部宮澤淳一研究室 media-bunka<アットマーク>sccs.aoyama.ac.jp

※「UNHCR 難民映画祭」について

http://unhcr.refugeefilm.org/2017/

※「国連UNHCR難民映画祭2017―学校パートナーズ」について

青山学院大学は「国連UNHCR難民映画祭2017―学校パートナーズ」に参加しています。参加大学は、過去または今回の国連UNHCR難民映画祭2017で上映された作品の独自上映会をそれぞれ開催します。 http://unhcr.refugeefilm.org/2017/school/